#JCDA 合唱の祭典2022〜第22回北とぴあ合唱フェスティバル スペシャルコンサート 作曲家が選び、振るこの一曲!〜作曲者によるリハーサル付き〜

#JCDA 合唱の祭典2022〜第22回北とぴあ合唱フェスティバル スペシャルコンサート 作曲家が選び、振るこの一曲!〜作曲者によるリハーサル付き〜

 

 ご来場&ご視聴&応援ありがとうございました。1席毎あけたホールも色んな良さがあるけど、やっぱり客席一杯のお客様に聴いて頂くのはいつだって特別なものです。

 リハの音を聴いて、着るかどうか迷って持って来ていたグレーのドレスをやめました。私自身の色とか、舞台上の彩りとか、そういったものはかえって雑音になるなと感じるくらい、祈りや…呪い(まじない)と呼ばれる強い思いとエネルギーを受け取りました。

 音楽と祈りというのはやはり切っても切れぬものですし、想いの強い言葉に音が乗ってくるというのもごく自然なことだと思っていて、今回はまさにそれがあらわされた舞台だったのではと思っています。「一番感想が書きづらい」と知り合いに言われたのが嬉しかった。

 

 きっとこの先ずっと忘れることのない、濃密な1日になりました。 

 この日のために結成された合唱団Verset versé。全10団体の中で最少人数のグループ。でも人数がどうとかいう話をするのも恐れ多いほど素晴らしいメンバーが揃っていて、初回練習の時点で鳴った音たちにゾクゾクしっぱなしでした。

 リハーサルの様子は是非アーカイブをご覧いただければと思います。私たちだけでなく他の全団体のリハーサルを見ることが出来ますのできっと面白い体験ができます。

 そもそも「作曲家が自分の曲を振る」というまあチャレンジングな企画、西村さんは本番前のインタビューで「指揮者に曲を書かせるようなものだ」と仰っておりましたが…。リハーサルの進め方、選ぶ言葉、作曲家が舞台に出て音を鳴らす作業工程をどう構築していくのか、自作自演という取り組みに対しての考え方向き合い方、誰1人として同じ人はいなくて。当然といえば当然なのですが、それがとても興味深い。指揮が上手い下手とかそういう次元じゃなく交わされる言葉や音の瞬間瞬間を目撃できて本当によかった。私はそう思っています。

 第2弾、やらないかなあ…笑

 もう1週間以上が過ぎたわけですが、「薄木さんの投稿を見てアーカイブ買ってみたよ!聴いたよ!」という連絡を複数の方から頂いて本当に嬉しいです。聴いて頂いた事は勿論、私の投稿がそのきっかけである事も、感想を聞かせて頂けるのも本当に嬉しい。

 SNSでしつこいくらい繰り返し情報を流して、いざ対面で会った時、或いは個人的に送ったメールのやり取りの中で「これ見たよ!」「これ知ってた!今声掛けてもらったし、行こうかな」と言ってもらえることがあります。しかもかなり頻繁に。嬉しいことです。“宣伝という業務”と思ってしまえばそれはそうですが、良いものは知って欲しいし楽しいことはみんなとシェアしたい。心からそう思って発信し続けたものが誰かに届いているのだと人と対峙して実感する瞬間は、ある種の孤独から解放された気分になるというのもそうだし、素直に嬉しいものです。

 音楽は趣味でもあるけれど、わたしの場合はそれより先にお仕事にしているので、例えばチケットを販売した分自分の収入になるとかならないとか、そういう事を考えなければならない時もゼロではないです。でもそれよりも「良いもの」をお届けする自信があるから情報を出すし、チケットを売ります。逆にいえば、ぼろぼろになることが(そのぼろぼろになる対象がなんであれ)見えている演奏会があったとして、1人の集客につきウン十万円のギャラが出ます!と言われてもそこに人をお招きすることはできません。プロというのは舞台に上がることがゴールではないし、自分/自分達だけの満足を追求すればいいわけでもない。当日の演奏は保証出来ないけどとりあえずいっぱい売った!売れた!黒字だねやったー!みたいなことは絶対絶対、わたしは嫌で(だからといって赤字が良いわけでもないし、「赤字でもいいから心震わせる演奏を!」みたいな心意気を良しとする訳でもなく)。音楽家薄木葵の、そしてそこに付随するパフォーマンスの価値を決めるのは最終的にはお客さんだし、そこにどれだけ向き合えるかみたいな事は常に考えていたいものです。考えすぎも良くないけど。でも脳死になったら終わり、この人がやっているから素晴らしい、とか。趣味で楽しむならそれはとってもポジティブで素敵な事だけど、職人なら、ねえ。という話。

 どのやり方が/考え方が良いとか正解は無いし、むしろみんなが同じことに賛同する世界ってめちゃくちゃ不健康だと思うので、結論なんでもいいんですが。

 改めて。JCDAの皆様、西村朗先生、ご縁を繋いで下さったやなさん、Verset verséの皆さん、聴いて下さった皆様応援して下さった皆様。本当にありがとうございました。